2014年08月12日

ソーロンアンガマ

[石垣島] ブログ村キーワード
石垣島に住んで二年と4ヶ月余り、今年も3度目のアンガマを見ることが出来ました。本島の宜野湾にいる時には全く知らない行事でした。それもそのはずです。この行事は八重山独自のお盆の行事なんですね。石垣島では、お盆の初日をンカイピー(迎え日)、ナカビ(中日)、ウクルピー(送る日)と言うそうですが、意外と本島と同じようにウンケー、ナカヌヒー、ウークイと言ってる方も多いです。

ゆんたくガーデンにもあるアンガマの主役のお面
アンガマ面

初めはその行事の奇抜さにびっくりします。お盆にやるとは思えないほど明るく面白い伝統行事です。主に石垣、大川、登野城、新川、平得、大浜の6カ所で行われますが、今では少し増えているかも知れません。旅の方は是非一度はこの時期に来られて見ては如何でしょうか?。ちなみにソーロンとは八重山でいう「お盆」のこと。精霊から転じてソーロンとなり、お盆に迎える祖先の霊を指しているそうです。

今年初めてのアンガマを見にMax Value平真店へ。
Max Value

では、アンガマとはどういう行事なのか説明したいと思います。アンガマの言葉の由来は実ははっきりしていませんが、「母親」説が有力のようです。時期は旧盆の頃(旧暦7月13日~15日)、以前は夜だけに行われていたようですが、今は昼間でもやるみたいです。観光客向けに開かれつつあるようです。元々は士族階級の行事だったものが、明治以降には農民層にも広がったらしく、あの世(グソー)からの使者であるウシュマイ(翁=お爺)とウミー(媼=お婆)の出で立ちもごくごく昔ながらの野良着姿です。この二人は花子(ファーマー)と呼ばれる子孫を連れてこの世に現れ、仏壇のある家々に押しかけてゆきます。

おお、もう凄い人!移住者らしき人も一杯
平真店

まぁ押しかけてゆくと言っても今ではスケジュールが決まっており、また個人宅だけでなく、ホテルやスーパーであったり、介護施設だったり、地元の公民館だったりを回ります。そこでは始めに花子に扮した若手の踊り子が三線や笛・太鼓に合わせて様々な踊りを披露してくれます。その途中や後半にウシュマイとウミーが滑稽な動作で踊りながら登場して、念仏歌を歌ったり、ギャラリーと裏声による珍問答を繰り広げたりします。

さあウシュマイ(右)とウミー(左)の出番で盛り上がります
ソーロンアンガマ

アンガマは子孫繁栄と豊作を祈る「念仏謡」と言われるもので、殆どが八重山方言で行われます。だから、珍問答が標準語で行われる以外は殆ど何を言っているか分かりません。花子はしゃべりませんが、笠をかぶりサングラスを掛けて口をタオルで覆った上、男でも女でも華やかな柄の着物を着ているので、それはもう奇想天外な一行です。花子たちが覆面をしているのは皆、この世の人ではないから仮装しなければならないけど、親の霊に感謝を表わすために来るらしいのです。サングラスはこの世をまともに見るとまぶしすぎるからと言ってましたが、それはトンチかも知れません。

一般家庭ではまず仏壇に祖先を拝んでから始めます
ウートート

昨年はすぐそばの一般家庭で見たのですが、今年はお盆の間忙しかったので、8月10日はイオン系のスーパー「Max Value(マックスバリュー)」でもあると言うので午後3時頃に買い出しついでに行きました。もう凄い人です。こりゃ正直見るのが大変でした。かなり大きなブルーシートを店内入り口辺りに敷いて、行われましたが、子供達も多かったので流石に立ち見は気が引けて、こちらは20分ほどで退散させてもらいました。回につき、かかる時間は大体1時間ほどです。

盆明けの平得公民館でイタシキバラ(獅子祭り)も再演
イタシキバラ

最後は、徒歩1分の平得公民館でお盆が過ぎた翌日「アンガマトゥズミー」で、じっくり堪能させてもらうことにしました。アンガマは主に地元の公民館の青年会が行うので、最後は地元の公民館で締めを行うことが多いようです。「アンガマトゥズミー」はもうお盆の範囲ではありませんが、打ち上げ的な意味と地元の人に感謝を込めてゆっくり見せようということなのでしょう。定時の19時前に行ったらもう大分人が入っていました。後ろの席に行ったら公民館の人が足の悪いオバァを気遣ってくれて一番前で鑑賞したので些かこちらも緊張しましたが(^^;)。たっぷり二時間オバァと楽しみました。

演目だけで20ぐらいはあったでしょうか?
平得青年会

今回の各地の珍問答では、謎の声掛け人物が、「どうして、お盆が終わったのに二人は帰らないの?」と問うと、ウシュマイが「飛行機に乗り遅れたけど、明日は帰るから大丈夫」などと余裕綽々に答えたり。「僕は市長だけど次の選挙はどうやったら勝てるの?」と問うと、「それには3つの方法があるよ・・。」などとアドバイスしてみせたり、「ファーマーの笠についているのは何の花?」「あの世のハスの花で七つついているのは7月7日の49日の法要をすませた証拠」など、頓知と知恵も効いています。最近では珍問答は方言だけでなく、段々と標準語でも対応してくれるようになってきているようです。

最後はみんなで大乱舞!躍動ですなぁ!
ソーロンアンガマ

「アンガマトゥズミー」には獅子舞(ススパシー=イタシキバラ)があったり、花子も皆、顔を出して踊ります。幾つもの踊りが次から次へと出るので、流石に若者もヘトヘトになっているのが感じられました。それはそうですよね。3日間+1日の間に何回公演を行ったことでしょう。きっと相当疲れた筈です。そして最後は見物人も紛れてのカチャーシー。本当にお疲れさん。でもこの行事がこれからもずっと続いてゆくことをないちゃ~である僕も願っています。いつかはゆんたくガーデンにも呼びたいなぁ。

2014年8月23日(土)那覇セルラースタジアム青年ふるさとエイサー­祭り参加の様子


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Posted by 琉球ジョー at 20:00 │伝統行事