2016年02月24日

3万年前の航海徹底再現プロジェクト

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今回はちょっと風変わりな講演に行って来ました(2016.02.22)。「3万年前の航海徹底再現プロジェクト・祖先たちは偉大な航海者だった!?」です。正直、この講演の誘いを新聞紙上で見た時はちょっと意外でした。この手の大昔の航海実験ってとっくに終わっているかと思っていましたが、実はまだ再現されていなかったのですね。

プロジェクトフライヤー(上部)
フライヤー(上部)

そして始めにこのプロジェクトの実施方法をお知らせしておくと、何処かがスポンサードすると言うわけではなく、「クラウドファンディング」の方式を取っています。そういえば、東京で飲食店している時はこの方式で映画制作の資金を集めたりしてるお客さんがいました。クラウドファンディング(Crowd funding)とは、不特定多数の人に主にインターネット経由で企画の財源の提供や協力などを呼びかけることです。このプロジェクトでは2千万円の資金調達が目標!。

プロジェクトフライヤー(下部)
フライヤー(下部)

会場は前回と同じ「石垣市健康福祉センター・視聴覚室」です。講演者はこのプロジェクトチームの代表の「海部陽介(国立科学博物館・人類史研究グループ)」氏。あれ、国立科学博物館の方のプロジェクトなのに、予算がつかなかったのかな?。なんて突っ込みを入れたくなりますが、クラウドファンディングにすることで周知する方が溯及効果が大きいと考えたのかも知れませんね。国のお金も使わなくてすむし(^_^)v。

さあプロジェクトに必要な予算は集まるかな
フライヤー(裏面)

このプロジェクトは、協力に与那国町・沖縄県立博物館美術館・特定非営利活動法人国境地域研究センター。後援には沖縄県教育委員会がついており、現在24名の様々な人材が集まっています(更に増殖中とか)。2013年3月の研究会から始まり、資金集めと実験航海を経て、2017年8~12月頃に成果報告会(東京・与那国など)の予定だそうです。

内容を非常に分かりやすく語る海部氏
海部氏

では講演の中身に入っていきましょう。3万年前の貝塚時代ぐらいから実は琉球には人がいたと言うことが分かってきました。それは人類が海を越えて島に進出しはじめた最も古い時代の証拠であるとも言えます。沖縄島の旧石器時代の遺跡「港川フィッシャー遺跡」からは1969年に4体の完全に近い人骨化石が発見されました。年代測定では約1万8千年前のものと推定され「港川人」と名付けられています。

2万年前の古代の人骨が発見されました!
白保竿根田原

他にも沖縄島の各地から人骨が発見されています。これは日本列島の地質は酸性が強く土器や貝は残っても、骨は残りませんが、沖縄の石灰岩地帯では地下水
に含まれる酸が炭酸カルシウムを溶かすことで中和されるため、骨を溶かす力が弱まるためだそうです。そして何と我が石垣市でも新空港の造成中に見事に人骨が発見されました。まだ最近のことですがご存じでしたか?。

こうして琉球弧には遺跡の証拠が一杯
遺跡群

白保竿根田原(さおねたばる)洞穴遺跡は港川遺跡よりも更に凄い発見で、およそ2万4千年前とか。まだ発掘途中ですが、人骨の数は港川遺跡を越えそうな勢いだそうです。また日本国内最古の人骨も沖縄県那覇市山下町第一洞穴から発見(1968年)されており、山下町洞穴人は約3万2千年も前のものです!。何れにしろ、上図のように沖縄では本当に古くから人が棲息していたことが分かります。

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100人は入る会場にはかなり集まっていました
滾雑

さあ、ではこの人たちは何処から来たかということです。かつてこの時期には陸続きだったのではないか?。だから陸路で来たという説は、深い海溝との関係で地続き説自体が否定されています。と、なると当然海を渡って大陸から諸島である琉球列島や日本列島にやって来たということになります。さあ、ここからがこのプロジェクトのロマンの始まりです。

3艘の内容の違う草船を実際に手作りしたそうです
草船

当時、台湾まではアジア大陸と陸続きでした。祖先がそこから何の目的で、何らかの舟を出し、台湾からは見えなかったのではないかと思われる与那国島へと(そして八重山、琉球列島、日本列島へと)渡っていったのでしょう?。勿論、サハリンから北海道説、朝鮮半島から九州説もありますが、何れにしろ、、海を渡るには船が必要です。それは木の船か?、カヤックの類か?、竹の筏か?、それとも草船か?。消去法で推測されたのは、当時からあったと思われる原材料と道具で作れ、加工もしやすい草舟になりました

実際はどのぐらいの大きさの船だったのだろう
草船

そこで既に与那国(東南アジア)に生息するトウツルモドキを編んで三隻の船を手作りして実験してみたそうです。帆があった方がいいだろうと思い、帆を付けたら安定が悪くなってしまうことも分かったそうです。さあ、そして最大の問題は、世界最大規模の海流である黒潮が、今と同じように台湾と与那国の間を流れていたのであれば、その急流と水圧をどう乗り越えたのか!。答えは実験の中にある。後はやってみないと分からない!。

台湾から渡航説の暫定チャレンジルート
実験航路

2016年夏にテスト番として、まずは与那国島 → 西表島、そして2017年夏に行うメインで台湾 → 与那国島への実験航海を行います。祖先たちが挑んだ困難を自ら体験して種種に検証するそうです。当然、この実験を実施するためにはクラウドファンディングが成功しなければなりません。僕も5千円だけ寄付しますねぇ。少なくてすいません(^^;)。講演後、中々シビアな質疑応答がありましたが、書き切れません。この話しの続きを聞きたくなったら、ゆんたくガーデンに遊びに来て下さいね。そして皆さんも是非寄付して上げて下さい。石垣島に「国立自然史博物館」が出来るきっかけになるかも~。

※ こちらのクラウドファンディングに関しての詳細は以下リンクからご覧下さい。
  動画が分かりやすいです(サイトは期間限定)。寄付額による特典も確認出来ます。
  国立科学博物館新たな冒険!3万年前の航海 徹底再現プロジェクト

寄付のお礼メールを頂きました。(16.2.27)

「温かいご支援ありがとうございます!」
会場にお越し頂き、そして共感いただいたことをたいへん嬉しく思います。
これは沖縄、その中でも八重山を舞台にしたプロジェクトです。
地元の方々にその意義をもっと広くご理解いただけるよう、そして様々なかたちでご参加頂けるよう、情報を広めて頂けると助かります。
なんとか実現に向けて頑張りますので、これからもよろしくお願い致します!

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